新卒採用が行われて、正社員として社内教育を受けることで、会社員としての能力が引き出されると考えられていました。しかし、リストラが行われる会社が増えて、終身雇用制度が崩壊した後は社内教育の量と質に変化が見られました。定年を迎える前までに、ある程度管理職として上り詰めることが出来れば、社内教育が行き届いたと考えられます。途中でリストラに遭ってしまった時には、他社で使えるキャリアやスキルがどの程度あるかは未知数でしょう。

一方、派遣社員として働く際には、特定の単純作業に従事している限りは大したスキルが身に付きません。しかし、プログラマーやシステムエンジニアのように、プロジェクトごとに出向先を移動する働き方をすれば、必要なスキルを絶えず身に付けつつ仕事を行なえます。プロジェクト単位で契約をして、出向先を仕事内容で選ぶことが出来るので、キャリア形成に必要なスキルを計画的に身に付けることが出来るわけです。

正社員として働き、長期間の社内教育を受ければ、複数部署の役割を担える総合職としての能力が備わるでしょう。

派遣社員として働く際には、単純作業に従事せずに、スキルアップ目的で仕事内容を吟味した上で出向先を決めることが大切です。雇用形態だけで個人の能力を把握できないことから、正社員や派遣社員といった区分だけで仕事の能力が上かどうかを決めることは出来ません。仕事を通して、技術力やキャリア形成をいかにして行なうかが問われているわけです。